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韓流スター自殺に揺れるネット社会

2008/10/17 配信

10月2日、「韓国のトップ女優チェ・ジンシルさんが自殺」というニュースが、韓国ではもちろん、日本でも大きく報道された。

日本のブログでも、「友達が亡くなったみたいな気持ちです」「彼女の苦しみは想像するに余りある。冥福を祈りたい」といったように韓国の文化や韓流ドラマのファンによるショックと悲しみの声が多数エントリーされている。


しかしこの事件、韓流ファンだけではなく、一般の人たちにも、大きな衝撃を与えた。
それは彼女の死の背景に「インターネット上での悪質なデマ」があったからだ。



kizasi.jpで「チェ・ジンシル」を検索してみると、2日の自殺以降、エントリーが急上昇しており、

  • 「そんな悪意のあるひどい書き込みは無視出来なかったのか。」
  • 「『噂』って怖い、人の人生を左右してしまうことに憤りを感じます」
  • 「まさに、言葉が人を殺したのです」

と、この問題への関心の高さが伺える。


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【データは2008年10月14日06:25】


この問題、チェ・ジンシルさん自殺だけでは終わらない。その後もタレント2人が自ら命を絶っているのだ。今韓国ではこのような「ネットでの中傷」を苦にした有名人の自殺が、深刻な社会問題になっている。


これらの事件を受け、韓国政界では、ネットでの中傷を告訴なく捜査して処罰できる法案、通称「サイバー侮辱罪」が、与党を中心に検討され始めた。
韓国では、ネット上での犯罪を取り締まるため、大手掲示板サイトなどを登録制にする「インターネット実名制」が昨年導入されたが、こちらも拡大適用が論じられている。


日本でも、このような韓国の状況に対して、さまざまな声があがっている。


■「サイバー侮辱罪」賛成派

  • 「最低限度のマナーを守れない人には規制が必要かと思います」
  • 「自由を履き違えています。言論の暴力は許してはなりません」
  • 「今のうちに日本も導入してもらいたいです」

■「サイバー侮辱罪」反対派

  • 「"悪質"を口実に、表現の自由が圧殺されるのではないかと危惧する」
  • 「発言の自由を失ってしまったら、インターネットの利点が生かされなくなるのではないか?」
  • 「インターネットの安全は、市民が自らの手で獲得し、政府の情報操作を排除しなければならない」

■中立・その他

  • 「言論の自由に関連した匿名性はあっていいが、法に触れた場合に特定するシステムがあってもいい」
  • 「匿名性がなくなれば"ネットがよくなる"という主張は、楽天的過ぎるように思える」


このように日本でも様々な意見が交わされているが、韓国と日本では「表現の自由」に関してその背景に大きな差がある。


韓国では、80年代まで続いた軍事政権のもと、言論が厳しく取り締まられてきた。
政府による一方的な新聞社、放送局の統廃合という、日本では考えられないような事態まで起きており、90年代に入りパソコン通信が普及して以降、ネットは草の根のメディアとして韓国の民主化に貢献し、大手の「御用メディア」に対抗する役割も果たしてきたのだ。


ネットというメディアは、自由に情報発信できるからこそ、善にも悪にもなりうる。
ネットにつながる瞬間、だれもが知らぬ間に「諸刃の剣」を握ってしまうことを、改めて意識しなければならないだろう。

(田中恵美)

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