気軽なエコカー「インサイト」成功の理由
2009/03/11 配信
最近、自動車業界のニュースでは、何かと「ホンダ」の名を聞くことが多い。
企業文化とまでいわれた「F1チーム」の売却をはじめ、きざしジャーナルでも「モンキー再発売」や「多摩テック閉園」などの話題を取り上げてきた。
そんなホンダの明るいニュースといえば、ハイブリッドカーの新型「インサイト」の大ヒット。年初から「Honda Green Machine」の予告広告キャンペーンが大々的に展開され、その第1弾として新型「インサイト」が発売されたのだ。
2月6日の発売後、累計受注は、当初の月間販売目標の3倍となる1万5000台を突破し、鈴鹿製作所では生産が間に合わず、注文してから納車まで3~4か月待ちだという。
kizasi.jpで「インサイト」がキーワードとして含まれるブログを検索してみると、発売日の週にエントリー数が急上昇、その後落ち着くが依然として高い値を保っているのがよくわかる。
【データは2009年3月10日7時36分現在】
ブロガーからも、その人気ぶりに驚く声が数多く、
- 「ディーラーも忙しそうで何よりです(笑)」
- 「何度も試乗に行ったのですが、いつも順番待ち」
- 「今注文しても納車は5月半ばくらいだそうで…」
もちろん「試乗ルポ」も続々とアップされた。何よりブロガーが感心しているのは、その静かさだ。
- 「エンジンかける瞬間の振動がほぼまったくない!」
- 「止まった瞬間スッとエンジンが停止、ブレーキから足を離すと一瞬でコロコロ。これはすごい」
- 「走行中はタイヤの音しか聞こえません」
また、エコカーでありながら(?)意外に速く、足回りがよいという感想も多い。
- 「感想を一言で言うと、この車、速い」
- 「踏んだとき、パワーが『足りない』とは感じなかったです」
- 「停車状態からアクセルを思い切り踏んだ時の加速が滑らかでGOODでした」
そのほか好評なのは、燃費を抑えて運転できるようにコーチしてくれる「エコロジカル・ドライブ・アシスト・システム」の機能。
- 「インフォメーションパネルで燃費グラフや電気/ガソリンの状態等がよくわかる」
- 「コーチング機能を見てると、床までアクセルを踏むことが罪悪に思えてきます(笑)」
- 「こういうコーチング機能は、普通にガソリン車にもあって良いと思いました」
中には、
- 「アイドリングストップから再始動するときの動きがギクシャクして、ストレスたまりそう」
- 「内装がちょっとチープな感じ…」
- 「後部座席狭くて、チャイルドシート2人分つけたら家族4人以外乗れない」
など不満の声もあるが"普通の街乗りなら十分"という評価が大勢のようだ。
しかし、「インサイト」のもっとも大きな功績は、車両本体価格189万円~という価格設定。「ハイブリットカー」を「気軽に乗れるエコカー」という意識に変えさせたことだろう。
- 「ハイブリッドカーって、エコだけでつまらない車ではないんだなと感じた」
- 「みんなでエコが実現できる"エコカー"を作るところが、ホンダの好ましいところなんだな」
- 「次に乗るのはハイブリッドかな?」
また、「インサイト」の意外な効果として、エコカー全体への関心が高まったことにより、ドライバーがライバル「プリウス」に興味を持ち出したことがブログから読み取れる。
kizasi.jpで「プリウス」と検索してみると「インサイト」の発売とともにエントリーが上昇している。
【データは2009年3月10日7時36分現在】
- 「インサイトが発売されてプリウスも比較対象になり、(トヨタの)ディーラーも恩恵があったようです(笑)」
- 「(インサイトに乗ったら)プリウスもかなり気になってきてしまいました」
- 「価格をアピールするホンダさんと、質をアピールするトヨペットさん。ディーラーの違いも興味深かった」
エコカーの新しい流れを開拓し、社会現象にもなりそうな勢いの「インサイト」。しかし、ホンダファンからは「これで稼いでモータースポーツやイベント、お蔵入りしたNSXなどを復活させて欲しい」という声も見られた。
「インサイト」を起爆剤にして、ぜひホンダの、そして自動車業界全体の活性化を図れたらというのが車ファン共通の願いでもあるだろう。
(田中恵美)
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